[前編] 大阪、東京、名古屋 クリトリック・リス 3都市ワンマン直前インタビュー

 

めぐれるの中の人からみたクリトリック・リス

 

中年男、スギムによる1人テクノユニット、クリトリック・リス。

私がクリトリック・リスを初めて見たのはは2010年のボロフェスタでした。

パンイチ姿のおじさんが、打ち込みのトラックに合わせて歌い踊る姿に、度肝を抜かれました。

その当時から「焼飯とライス大」や「その時俺は」など、キラーチューンがたくさんあって、満員のイベントでも、隙間が目立つライブハウスでも、いつ見ても最高にエンターテイメントでした。

笑えて泣ける、リアリティー溢れる歌詞は、まるで人情ものの落語のようです。

<2011年のライブ動画。たまたま私が最前列にいる>

 

ライブMCでスギムは音楽活動をしながら、サラリーマンとして働いて、妻帯者で、マンションも買っていると言っていました。

仕事は広告代理店の課長だか部長だかの、管理職だという噂も入ってきたりして、

「すごいなあ。こんなぶっとんだことしてるのに、しっかりした生活基盤を持っているなんて、とても立派な人だなあ」

と好印象を持っていました。

 

2012年にサラリーマンを辞めて、貯金を切り崩しながら音楽だけで生活していることを、雑誌のインタビューで読みました。

「会社辞めちゃって大丈夫かな?」と勝手に心配していたのですが、いらぬお世話だったようで、そこからクリトリック・リスの快進撃がはじまりました。

 

2014年にテレビ埼玉の音楽番組「竹山ロックンロール」で密着ドキュメンタリーが製作され、

 

2015年にTOWER RECORDS(ユニバーサルミュージック)からメジャーデビュー。

 

2017年4月に今度はソニー・ミュージックエンタテインメントから2枚目のフルアルバム「HAGECORE」を発売、

<ブルーハーツ「TRAIN-TRAIN」のオマージュソング>

 

同月に公開された映画「光と禿」の主演男優に。

 

シャレオツなCMにスギムがお父さん役で登場しているのも見たし、

<35秒あたりからスギム父さん登場>

 

友人を忘れらんねえよのインストアライブに誘ったら(その友人はロブ・ハルフォードのファンで、忘れらんねえよに興味がなさそうだったのでニャンゴスターで釣ってみたが結局予定が合わなかった)、突然クリトリック・リスの名前が飛び出すし、

 

さらに12月に大阪、東京、名古屋の三都市でワンマンライブを開催するとのこと。

 

もうこれは、クリトリック・リスがすごいことになってんなと思いました。

 

「ウェブマガジンでインタビューさせてって言ったらスギムさんと喋れるかもしれん」とか「今クリトリック・リスのインタビューを掲載したら、めぐれるにアクセスがわんさかくるかも!」という下心バリバリでインタビューを申し込んだところ、さっくりOK。

緊張しすぎて、友人(くだんのメールの人)についてきてもらい、インタビュー前に軽く一杯ひっかけるという荒技に出たものの、ふわふわした気持ちのままインタビューが始まりました。

 

1000文字以上のプロローグになりましたが、お待たせしました!

ここからがクリトリック・リスのインタビューのはじまりです!!


裸にはなったんはほんまやけど、タワ●コの店長はクビになってない

 

クリトリック・リス

 

—最近すごいいい感じですね。

こないだ見たライブも平日なのにパンパンで大盛況(新宿JAMで開催された栗貴族)だったし、今度は三都市でワンマン。

大活躍ですね。

 

スギム:いや〜、そんなことないよ。

 

—はたから見てると、ソニーからアルバムも出たし、フェスにもじゃんじゃん出演していて、メジャーの人になったなという印象があります。

 

スギム:実はクリトリック・リスは、フジロックとかサマソニとかには出たことない。

出演しているフェスは、企業とかのしがらみがないイベントがほとんど。

 

—え〜!

意外です。

出てるもんだとばかり思っていました。

 

スギム:なんかいろいろ話が大げさになってることが多くて。

 

—某イベント会社が主催しているフェスに出禁になったっていうのは嘘ですか?

 

スギム:それは、まあ…

 

—本当なんですね。

 

スギム:一部はほんまなんやけど、だいたい大げさになってて。

たとえば、Wikipediaにクリトリック・リスが、タワ●コのインストアライブで全裸になって、店長のクビが飛んだって書いてあるんですけど…

 

—その噂聞いたことあります。

 

スギム:それは嘘なんです。

 

—脱いでないんですか?

 

スギム:いや、脱いだんはほんまやけど、タワ●コの店長はクビになってないです。

 

—ああ、裸にはなってるんですね。

 

スギム:Wikipediaを見て、ライブのオファーが来ていた美術館から、出演をキャンセルされたりっていうこともあって。

 

—実害が出てるじゃないですか!

クリトリック・リスのライブって、お客さんとライブハウスの店長(新宿JAM石塚さん、十三ファンダンゴ加藤さん)は脱いでるけど、スギムさんは脱いでないですよね。

今回のインタビューで、Wikipediaの誤りを修正していきましょうよ!

 

スギム:う〜ん、修正するほどでもないかなぁ…

Wikipediaに書き足してくれたんは、もしかしたら加茂さんかもしれんし…

 

—あ、そうなんですか。

加茂啓太郎さんって、ウルフルズや氣志團やフジファブリックを育てた人ですよね。

すごい人がクリトリック・リスに関わってるなあって思ってたんです。

 

スギム:忙しいみたいで、今は僕、あんまり相手にしてもらえてないです。

 

—笑


れからも半年に1回くらいは、あいつらを解放できるようなイベントをしたいと思ってる

 

—スギムさんのライブに来てる人たちって、普段どんな音楽を聴いてる人たちなんでしょうねえ。

大人しそうな男性が多くて、ちょっと特殊な客層というか。

 

スギム:確かに。

ハードコアとも違う、ドルオタとも違う。

ほんま独特な客層ですね。

 

—みんな、クリトリック・リスの楽曲にシンパシーを感じてるんだろうなあって思いました。

キラーチューンになると、サビ以外の部分もみんな口が動いてるし、サビになったらもはや、スギムさんの声が聞こえない位の大合唱で。

こいつら相当聴き込んでるなと。笑

 

スギム:でも、そういったお客さんも毎回来るわけじゃないんすよ。

 

—スギムさんめちゃくちゃライブしてますよね。

 

スギム:年間200回ちょっとかな。

 

—そりゃ、毎回は無理でしょう。笑

20代後半から30代あたりの、働き盛りの男性が多かったし。

仕事が忙しい世代ですよ。

 

スギム:やっぱりああいうお客さんも、来るライブは選んでますね。

ワンマンとかは来てくれると思うんですけど。

ただ、ワンマンでは締まっていきますよ。

あいつらを脱がさないようにしないと。

 

—笑

 

スギム:これからも半年に1回くらいは、酔っぱらいのお客さんも解放できるようなイベントをしたいと思ってる。

 

—優しい!

 

ノリノハラワタ(付き添いの友人):かっこいい!

 

スギム:自分も楽しいねん。

あの、訳のわからん感じが。

 

—私は泥沼みたいってツイッターに書いてたんですけど、別の人は地獄みたいって書いてて。

なんというか、すごい一体感があるというか、会場全体がうねる感じで、引きずり込まれていくようなグルーヴ感がありました。

 

ノリノハラワタ(付き添いの友人):あったあった。


あれに頼っとったら、先に進まんなと思って、11月に入ってからは封印した。

 

ノリノハラワタ(付き添いの友人):こないだ「夏の魔物(川崎で9月に開催されたロックフェス)」で初めてクリトリック・リスのライブを見たんですけど、すごい楽しくて。

持ち時間中、ずっとソーラン節をやってましたよね。

 

クリトリック・リス:あれはよっちょれっていうんやけど。

音楽というより、宴会に近くて。

夏のライブではあれを推してたんですよね。

もう、11月に入って一切やってないんです。

 

<りんご音楽祭(長野県で9月に開催)でのライブ。15分から25分までソーラン節>

 

ノリノハラワタ(付き添いの友人):めちゃくちゃ盛り上がってたのに、やらないんですね。

 

クリトリック・リス:あれに頼っとったら、先に進まんなと思って。

よっちょれを欲しがってるお客さんもいるのはわかってるんやけど、11月に入ってからは封印した。

 

ノリノハラワタ(付き添いの友人):かっこいい!

 

—スギムさん漢(おとこ)ですね!

ニーズがあるのをわかっているのに、先に進むために封印する!

 

クリトリック・リス:本当は9月でやめようと思ってたんやけど、10月くらいまでは引きずってしまったんやけどね。


後編へつづく


クリトリック・リスのホームページ


クリトリック・リスのツイッター

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