個人事業主とお米生活

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前回の続き

ローン残高91万円。

リボ払残高20万円。

  • 2年契約のバンドメンバーとの共同生活スタート。
  • その2年で共同生活の初期費用ひとり頭約21万円を毎月約8千円ちょっと同居人に返済していく。
  • 2月経過して家賃と水道光熱費などの固定費がひとり頭約48千円必要。
  • カードローンを毎月3万円返済。
  • リボ払を毎月3万円返済(月により増減あり)。

という訳で毎月約12万円が消えてくお金。

カードローンの残高が910,106円。

さて、どうやって生きていこう。

なんとなく個人事業主となるべく税務署へ重い足を運ぶ前日。よくわかっていない僕はこのことを代表に聞いてみることにしました。

個人事業とは法人と違って個人で事業を行うことで、事業とは独立・継続・反復と定義されている

とのことでした。

全然意味がわかりませんでした。

『独立というのは、会社などに雇われずに自分で仕事をしていること。

木村くんはデザインなどの業務を委託されていて、反復とはその仕事を繰り返し行うことで、継続とはずっとそのサービス(仕事)をすることだよ。』

とか、言われました。

全然わかりませんでした。

その頃、週末だけカフェをする人やそんな記事を少しずつ目にするようになりました。

そこで、

「じゃ、サラリーマンで副業したい人はどうなるんすか?」

と尋ねると

『人にもよるよね。』

との回答でした。

『でも確定申告はしといたほうがええんちゃう?』

と付け加えられたのでした。

要するに副業でその事業で支払う税金がなければ別に確定申告しなくてもいいし、給与所得以外の所得が合計20万円以下ならしなくても別にいいよ。

というような話でした。

ますます意味がわかりませんでした。

『青色申告にすると赤字を3年間繰り越せたり、65万円の控除があったりと特典があるで』

と、これまた意味不明なことを聞かされました。

複式簿記などで面倒だけど、青色申告で申請をすること。

青色申告承認申請書は事業開始日から2ヶ月以内、もしくは11日から315日までに提出しないといけないので早く行った方がいい。

それだけは何とかわかりました。

サラリーマン副業の場合、社会保険とかってどうなるんだろう?

二重に払うんかいな?

と思って聞こうかと思ったのですが、話がとても長くなりそうなので聞くのをやめました。

後から知ったことのですが、サラリーマンは健康保険や厚生年金保険の加入が義務付けられているからそもそも副業で個人事業主になったとしても変更はないという話でした。

翌日、税務署へ。

挙動不審のまま開業したい旨を伝え、窓口に案内されました。

個人事業の改廃業等届出書という書類の職業というところの欄に「デザイン、印刷、web、小売」と記入しました。

小売なんてこの先するかどうかもわからないけれど、やりそうなこと思いつきそうなことは全部書いておいたほうがいいよ、と言われるがままに書いたのでした。

事業の概要という欄にも全く同じことを記入しました。

もう一通、所得税の青色申告承認申請書というのも提出しました。

所得の種類を「事業所得」とし、簿記方式を「複式簿記」、備付帳簿名の箇所に、現金出納帳、経費帳、固定資産台帳、預金出納帳というところに丸印で囲みました。

こんな僕にでもできました。

全て税務署の人が教えてくれたので、言われるがまま記入しました。

誰でも簡単になろうと思えば個人事業主になれるのですね。

sky

僕がこれからやらなければならないことはレシートをとっておくということでした。

どんなレシートが有効かどうかさえ見当がつきません。けれど、まずは使える使えないに関わらずしっかり領収証は残しておいてください、と言われ、それを実行することとなったのでした。

減るに減らない借金は、劇的な変化がない限り一生かかっても支払えない気になっていました。

財布の紐が鋼鉄できた同居人の生態系から何かを学ばなければならないと感じていました。

僕はそれまで一人暮らし用の冷蔵庫を使っていましたが、新生活では同居人が持ち込んだ家庭用のデカい冷蔵庫を使用することになりました。

扉を開けると塊の鶏肉と大きめのハンバーグが山盛りありました。

あ、こないだ実家で貰ってきたって言ってたな、ハンバーグ。

旨そうだなぁ。

お腹がキュッとしました。

今夜の夕食はどうしようか

その時同居人が帰宅してきました。

『おぅ、おつかれ。』

「おつかれ。今から晩飯、なんか作ろうか思っててん。」

僕が言うと

『晩飯、巨大ハンバーグあるし食ってもええで。今から練習しに行ってくるわ。』

と言うと、同居人はベースを担いで自転車で足早にどこかへ出かけて行きました。

同居人はその頃、尺八とベースのユニットというものをやり始めていました。練習というのでてっきりスタジオに行くものだと思い込んでいたのですが、北白川のバッテイングセンターに併設されているカラオケルームで連日のように男2人で篭って練習を重ねていたのでした。

バンドでシェアハウスで生活し始めているにも関わらず、違うユニットに情熱を燃やす同居人となったバンドメンバーに複雑な気持ちになりました。そしてなんだかやるせなくなって、結局その晩はやっぱりいつもの店へと消えていく僕なのでした。

どこでもドア

数日の後、土曜の昼に珍しく同居人が台所に立っていました。なにやら悪戦苦闘している様子です。

以前、カップラーメンくらいしか調理経験がないと若干得意そうに言っていて

『それって、料理って言うんか?』

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と友達みんなが総ツッコミだったことを思い出しました。僕は簡単にできる野菜料理の方法を伝授して、その対価として晴れてそのハンバーグを貰うことが出来たのでした。

彼は例の通常の3つ分くらいの巨大ハンバーグを3つに再分解して焼きました。

あまりに大きくて中に十分火が通りにくいという理由でした。

お米は同居人が実家から貰ってきてくれたので

3つのハンバーグと野菜で文字通り僕はタダ飯にありつくことができました。

食事が終わると同居人はパソコンに向かって何か作業し始めました。

「なにしてるの?」

と尋ねると。

『家計簿つけてんねん。』

そう言って財布にどのように折りたたんでいたのか大量のレシートを取り出し(多分)エクセルに入力し始めました。

「マメだなぁ。」

浪費家の僕の目の前で家計簿をつけること自体、同居人からの宣戦布告のように思えてなりませんでした。

背後から呆然と見ている僕に同居人は

war

『木村くんもやってみ。』

と言うので、僕は絶対にやらないぞというトーンで

「せやなぁ。」

と、返事をしました。

 

共同生活をして同居人についてわかったことは、何回折るねんという位、とても細かくレシートを折り畳んで財布などにしまっていること。

直近1週間程度のスケジュールを手帳ではなくレシートのようなサイズの紙に出力しタバコのパッケージに挟み込んでいること。

僕だったら一回で消費してしまうような食材・飲料などは数回に分けて消費していることなど。

そして、何週かに一回はどこかで食材や飲料をまとめ買いをしていることでした。

僕はもう少し細かいところまで観察しようと試みました。

すると、わかってきたのです。

水の使用量から歯磨き粉の使用量に至るまで様々な生活における消費行動が、僕の方が圧倒的に勝っている、いや、多すぎる。多過ぎたのでした。

僕は「圧倒的に燃費が悪い人間。」

ということが判明しました。

そして、この地球に優しくない非エコな僕がそれに輪をかけて浪費家であるものだから、債務が減る気配が見られないのは当然といえば当然でした。

party

毎日がパーティーのようでありたい。

お金はない。

この二つの相反する気持ちをどうにかしたい。そこで、僕はこの一軒家で何か企画をすればいい!と、思うようになりました。

ちょっと考えて、持ち込み制のカレーパーティーをすることにしました。

誰かが作ったカレーはなんで美味しいんだろう?というのと

人ん家のカレーってどんな感じなんだろ?というのと

幾らなんでもカレーだったら大きな失敗はないだろう、という安易な考えからと、

余ったらまた後日食べられるというような理由からでした。

お店で提供されているような本格的なカレーとかではなく

フツーのカレー。

これを条件に第一回カレーパーティーを開催したのでした。

結果的に、10人以上が一軒家に集いました。

人それぞれ具材も違えば、色も違う。粘り具合も違うし、スパイスも香りも当然味も違う。どれも美味しかったし、楽しくて持ち寄ったカレーをアテに飲んで食っての大騒ぎとなったのでした。

curry

明朝、惨劇の後片付けをしていると食材の残りが冷蔵庫に、そしてまだ空いていないペットボトルや酒瓶などが転がっていました。

おお!これでしばらく暮らしていける。

僕は残り物を同居人とシェアすることにしました。

ホッとしているのも束の間です。

こんなことをしてる間に次の毎月の支払い約12万円は迫ってきます。

少しでも早く減らしたい。

今の僕にできそうなことはとにかく食費を減らす。

これしかないように思えました。

よし、月一でパーティーだ。根拠なくそう思いました。

パーティーの余り物が狙えそうだ、というのも理由の一つでした。

そして、その頃の僕はノリと思いつきだけで行動していたのでした。

idea

同居人が米袋を抱えて帰ってきました。

実家から米の提供があったということでした。

そして、樺太冒険の費用もかかったので暫く節約生活をすると彼は宣言しました。

今でも十分に節約してるやん。。。

と、僕は思いましたが僕が何か言えるようなものでもありません。

そうなんや。

こうして彼はさらなる節約生活をスタートさせることになったのでした。

その節約生活の内容は『お米生活』でした。

僕らは白ご飯だけを食べるという生活になりました。おかずなどの食材を一切排除するという極端な節約方法でした。

原資は同居人の実家からなので、確かにお金はかかりません。

満腹感を得るために一回の食事でお米5合が消費されました。

1人あたま2.5合を一回の食事で食べる。それも米だけ。

ゆかりをかけたり、塩をかけて食べたり。

何かの修行のような感じでした。

そうやって米だけを食べる日々が何日も続きました。

しかし、米だけ食べ続ける生活も限界が見えてきました。

あっという間に米が底を尽いたのでした。

そして僕らは太りました。

これはいかんなぁ。

毎月の支払いを終え、二人共に極端すぎる節約生活を少し見直すことにしました。

あと残りのローン残高:898,098

まだまだ頑張りが足りないように思えました。

続く

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木村
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めぐれるの副編集長してる人。 静岡県浜松市出身、うなぎパイのとこです。 京都に来てはや20年以上。お酒とロックと夏が好き。 自由気侭なフリーランスで2児の父。